こんにちは！
前回までの記事で、革製品が完成するまでの大まかな流れをご紹介できたと思います。
今回からは少し視点を変えて、実際に製作している風景を写真も交えながら
より詳しくお話ししていこうと思います。
製作の現場がどんな様子なのか、どんな風に作られているのか。
そういった“裏側”をお見せすることで、ハンドメイドの魅力やリアルな工程を
より身近に感じてもらえたらうれしいです。
写真で見る製作工程｜まずは「② 型紙の切断」から
通常であれば、「① 設計」から順を追って紹介したいところですが
設計について語り出すと記事が膨大になってしまいます
私自身も試行錯誤の面がまだ多分にあるため、今後もっと落ち着いたタイミングで
ご紹介出来たらと思います！
そのため今回は、「② 型紙の切断」からスタートします。
なお、各工程の番号は以下の記事と対応していますので、よろしければあわせてご覧ください。
→「革製品ができるまで vol.1｜設計〜革の下処理まで」
② 型紙の切断｜まずは厚紙を使って土台をつくる
Vitaroでは、製品の型紙は印刷したコピー用紙を厚紙に貼り付けて使用しています。
これは、コピー用紙のままだと柔らかすぎて革の上で形を正確になぞることができないためです。
厚紙に貼ることで耐久性が増し、繰り返しの使用にもある程度耐えられるようになります。
まずは印刷された型紙を少し大きめにハサミで切り出し
スティックのりやスプレー糊などを使って厚紙に貼り付けます。
貼り付けたあとは、ローラーで表面をしっかりと押さえ
気泡やシワが入らないように丁寧に伸ばします。
ここで雑に仕上げてしまうと、後々歪みの原因になるので注意が必要です。
型紙がしっかりと貼り付けられたら、今度は外形に沿って丁寧にカットしていきます。
このカットはかなり慎重に行います。
というのも、この型紙がそのまま製品の形を左右します
1mmでもズレでしまったら正直リカバリーはききますが、作品としては失敗です。
切り終えたら縫い穴ガイドも開ける
切り終えた型紙がこちらです。
この段階で、縫い穴の位置を示す「ガイド」も先に型紙に開けておきます。
この小さなひと手間で、後の作業が格段にスムーズになります。
穴の位置は革に直接写されるので、まっすぐ美しい縫い目を出すための重要なポイントになります。
最後に切り出した型紙を重ね合わせ
設計した通りになっているか、矛盾はないかの最終チェックを行います
型紙はしっかり保管を
すべてのパーツの型紙が完成したら、それらを製品ごとにファイルでまとめて保管します。
細かいパーツが多い場合は、どれがどの部品なのか分からなくなってしまうこともあるので
ラベルやメモを添えることも多いです。
ちなみに厚紙でつくった型紙は、使用を重ねるごとに少しずつ端が摩耗してしまい
最初の寸法から微妙に変わっていくことがあります。
そのため、大量生産には向いていません。
もし量産を前提とする場合は、アクリル板やアルミ型など
より耐久性のある素材で型をつくる必要があります。
そして次の工程へ
こうして、ひと通りの型紙作業が完了しました。
ただ厚紙を切断するだけの工程でしたが
見た目以上に気を遣う工程だったかと思います
さあ、いよいよこの型紙を使って革に転写！――
……といきたいところですが、まだ待ってください！
その前に必ず行うべき工程があります。
それが「革の下処理」です。
革は天然素材なので、表面の状態や張り具合、厚みにバラつきがあります。
また保護や、染色などの処理も必要になります
まとめ｜製品の「精度」は型紙から始まる
今回ご紹介したのは、製作の最初の一歩「型紙の切断」についてでした。
地味な作業に見えるかもしれませんが、型紙の精度はそのまま製品のクオリティに直結する
とても大切な工程です。
写真を交えながらお伝えすることで、少しでもリアルな製作の空気が伝わっていればうれしいです。
次回は「革の下処理」について、実際の作業風景とともに詳しくご紹介したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回をお楽しみに！
投稿者
sn.social.06@gmail.com
関連投稿
