レザーを選んだ理由
なぜ、レザーという素材を選んだのか
今回はレザークラフトにまつわるお話をしていく前に
まずは私自身がなぜ「レザー」という素材に興味を持ったのか。
その原点について少しお話しさせていただこうと思います。
実は私、数年前までは革製品に対して特別な関心があったわけではありません。
レザーと聞くと、高級で、手入れや扱いが難しそう。
そんな印象が先に立ち、自分にはあまり縁のない素材だと感じていました。
転機が訪れたのは、副業を考え始めたときのことです。
何か新しいことに挑戦してみたい。
そう思い立ち、さまざまな選択肢を調べる中で「手を動かしてものづくりをしてみたい」
という気持ちが芽生えました。
では、何を作ろうか?
自分が興味を持てて、作る過程も楽しめるようなもの。
そして、できれば誰かに長く使ってもらえるようなものがいい。
そんなふうに考え始めたのです。
思い返せば、私は以前から“長く使えるもの”に惹かれるところがありました。
流行に左右されず、時間が経っても古びない。
そんなものを自分の手で作れたら、きっと素敵だろうと感じたのです。
何がその条件に合うだろうかと考えていたとき、ふと浮かんだのがレザーという素材でした。
それまであまり意識してこなかったレザーですが、調べていくうちにその魅力に気づきました。
たとえば、驚くほどの丈夫さ。軽くて扱いやすく、それでいて高級感もある。
さらに使い込むほどに味わいが増し、経年変化を楽しむことができるという点も、非常に魅力的でした。
加えて、加工がしやすいという点も、クラフトを始めたい身としては大きなポイントでした。
中でも私が強く惹かれたのが、「長く使える」という特性です。
今は、必要なものが手軽に手に入る時代です。
インターネットを通じて、安価で便利な商品がいつでも買える。
とても便利な一方で、その気軽さが使い捨ての文化につながっている側面もあります。
私自身、以前はたくさんの物を買っては手放すことを繰り返していました。
ですがある時、思い切って身の回りを整理してみたところ、
手元に残ったのは本当に気に入っているもの、丁寧に作られたものばかりだったのです。
そのとき気づいたのは、
「自分が心から気に入った物を、長く大切に使い続けることの喜び」でした。
そうした体験から、私も“長く使いたいと思ってもらえるような物”を作りたい、という思いが生まれました。
そしてその想いが、現在のブランド“Vitaro”のコンセプトにもつながっています。
Vitaroでは、「一生使いたくなるようなクオリティの製品」を目指しています。
丁寧に、妥協せずに作ること。使い続ける中で愛着が湧くような物を届けること。
この部分は、私自身が最も大切にしている価値観でもあります。
素材としてレザーを選んだのも、そうした理由からです。
長く使えること、環境に配慮された自然由来の素材であること。
また、扱うのが初めての私にとって、加工しやすく、手の跡を感じられるという点も魅力でした。
レザーという素材には、どこか特別な存在感があります。
それは、私たちの暮らしの中で自然と馴染んでいく一方で、持つ人の手によって少しずつ変化していく──そんな奥深さがあるからかもしれません。
とはいえ、革製品はまだまだ身近に感じにくい素材かもしれません。
価格の高さや手入れの難しさから、手を出しにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、始めたばかりの頃はそうでした。
でも知れば知るほど、そして実際に使ってみるほど、その魅力を感じるようになりました。
このブログでは、そうしたレザーの魅力や、レザークラフトの楽しさを丁寧にお伝えしていきたいと思っています。
初めての方でも、少しずつ「レザーって面白いかも」と思っていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
投稿者
sn.social.06@gmail.com